現場に、未来が、やってきた。「ICT×建設機械」という新しい常識といっしょに。

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現場に、未来が、やってきた。
「ICT×建設機械」という新しい常識といっしょに。

「巨大な階段」、ではない。ここ茨城県の利根川沿岸で行われているのは、水害から人々の暮らしを守るための工事。堤防の幅を広げ、強化するための工事である。堤防強化工事としては極めて標準的なもの。しかし、このごく普通の風景の中に、実は「現場の未来」が隠されている。

階段状にする工程を、専門用語では「段切り」と呼ぶ。段々畑のように切り取られた土台の上に、地層をつくるように土を盛り固めていく。そうすることで、地滑りを起こさない強固な堤防を作ることができる。現場で汗を流していたのは、油圧ショベルKOMATSU PC200i。黄色い腕を器用に動かし、刃先を直角に土の中に入れる。決められた深さまで、均一に土を掘る。ぐいっと力を込めると、一気に土をかきだす。直角に。均一に。そこに、この作業の難しさがある。ベテランの熟練オペレーターでなければ、なかなかこなせない仕事である。

「実は、あのオペレーターは、経験1年ほどです。それだけ聞けば、ビックリする人もいるかもしれない」。そう教えてくれたのは、現場の責任者だった。そして、こう続けた。「ビックリすることが、もう一つ。測量の時の丁張りをしていないんですよ、この現場」。建設工事に詳しくない人でも、測量は知っているだろう。地形を測り、どの部分をどこまで掘るかを決める。設計図通りに工事をするための目印として、丁張りは絶対に必要な作業だ。「経験1年のオペレーター」。「丁張りをしない現場」。二つの非常識の秘密は、一台の新しいコマツにあった。

このコマツ、見た目は、普通の油圧ショベルと変わらない。しかし、中身は、最新のICT技術を駆使し、インテリジェントマシンコントロールを実現したICT油圧ショベルなのだ。作業の前に、3Dの設計データを読み込ませる。GNSS(グローバル衛星測位システム)による位置情報とアーム制御システムにより、図面通りに仕上げていく。オペレーターは、いままでのような複雑なレバー操作をしなくていい。機械が掘削する場所を決め、深さを均一にし、仕上げの整地まで、ほぼ自動で仕事をしてくれる。だから、丁張りがいらない。だから、経験が浅いオペレーターでも、精度の高い仕事ができる。作業状況は、現場から離れたオフィスにいても、インターネットで確認することができ、すべてのデータが一元管理される。

熟練オペレーターの高齢化、人手不足。それは、建設業界が抱えている課題である。短い工期で、精度の高い仕事を、しかも安全に。現場に関わる人なら誰もが願うことである。そんな現場の課題や願いに、コマツは、新しいソリューション「スマートコンストラクション」で応えようとしている。その一部を担うのが、ICT建設機械なのだ。「いままで当たり前だと思っていた作業工程や作業時間が、変わりました。一台の機械で、現場の働き方そのものが変わったのかもしれない」。作業を見守りながらつぶやいた現場の方の言葉が、印象的だった。現場に、未来が、やってきている。しかし、ここは、まだゴールではない。建設の現場で汗を流す人たちといっしょに、未来の現場をつくっていこうと思う。

日本経済新聞   2015年06月18日 (木)

朝日新聞   2015年06月18日 (木)

北國新聞   2015年06月18日 (木)

日刊工業新聞   2015年06月18日 (木)

フジサンケイビジネスアイ   2015年06月18日 (木)