経済成長を続ける中国でも、「ハイブリッド」が、あたりまえの言葉になりますように。

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経済成長を続ける中国でも、「ハイブリッド」が、あたりまえの言葉になりますように。

その日も、上海の空は、白く霞んでいた。向こう岸に広がる高層ビルの森。世界の注目を集める中国の経済成長。この国を訪れると、 その勢いをリアルに肌で感じる。人に、活気がある。街に、活気がある。

この国に、昨年8月、珍しいコマツがやってきた。PC200-8 HYBRID。見た目は普通の建設機械。けれど、このコマツ、実はハイブリッドカーなのである。初めて会う人はみんな、驚く。「建設機械なのに、ハイブリッドカー?」と。「世界初」なのだから、それも無理のないことだろう。2年前、最初の一台が日本で働きはじめ、こうしてお隣の中国 にもやってきた。

河岸に、運搬船が入ってきた。2台の「働くハイブリッド」が、腕を伸ばして土をすくい上げる。 高層ビルの建設現場で生まれた残土を、運搬船に積み込むのが、ここでの仕事。腕を高く持ち上げると、黄色いカラダをクルッと回して土を運ぶ。すくってはクルッ。すくってはクルッ。この旋回の動きで生まれるエネルギーを電気に変えて充電する。 平均で25%、最大41%もの燃費を向上させ、CO2が削減されていく。

中国語では、ハイブリッドのことを「混合動力」と言う。文字通り、電気とディーゼルの混合動力。しかし、中国の人々には、「ハイブリッド」も、「混合動力」も、まだまだなじみのない言葉なのだという。「それでも、中国の人たちは、ハイブリッドに興味をもってくれます。燃費がいいということは、コストを削減できるからです」。 日本から赴任をしたスタッフが、そう教えてくれた。環境にいいことは、とても大切。でも、だからといって、使う人が何かを我慢する必要はない。コストが安いから使う。それが環境にもいい。そんな良い循環が生まれれば、うれしい。

コマツと中国の関係は、50年以上も前からつづいている。広い国土の様々な地域に根を下ろし、絆をつくってきた。だから、とそのスタッフは言葉をつづけた。「ハイブリッドという言葉を、中国でも、あたりまえの言葉にしたいなぁ」。ヘルメットの下の顔が、少し照れくさそうに笑った。クルックルッとカラダを回しながら、ハイブリッドのコマツは、仕事をつづけている。上海の空が、少しだけ青空になったような気がした。

日本経済新聞   2010年03月23日 (火)

朝日新聞   2010年03月23日 (火)

読売新聞   2010年03月23日 (火)

中日新聞   2010年03月23日 (火)

東京新聞   2010年03月23日 (火)

日刊工業新聞   2010年03月23日 (火)

フジサンケイビジネスアイ   2010年03月23日 (火)