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特集:ICT建機の現在と未来

北米ユーザーテスト・レポート

コマツアメリカ(株)(KAC)マシンコントロール・グループ プロダクト・マネジャー(D61EXi/PXiユーザーテスト統括担当)ジェイソン・アネッツバーガー
グローバル・チームワークとお客様の豊かな経験が、商品開発における成功の鍵となりました。
コマツアメリカ(株) (KAC)
マシンコントロール・グループ
プロダクト・マネジャー  D61EXi/PXiユーザーテスト・リーダー
ジェイソン・アネッツバーガー

情報化施工は建設業界にとって極めて重要なテーマになりつつあります。北米や欧州、オーストラリア等で情報化施工の機能を搭載した建機の比率が高まる中、世界初の次世代情報化施工技術を搭載し、より優れた作業効率と快適な操作感をもたらすICTブルドーザーD61EXi/PXiが発売されました。

2011年から2012年にかけて北米で実施したユーザーテストで、コマツは現場での試験を最大限に活用してユーザーの声を集め、迅速にフィードバックし、再度評価頂くことで、完成度の高いD61EXi/PXiを発売できたのです。

未来に向けてのパートナーシップ

ユーザーテストでは、コマツアメリカ(KAC)の総括のもと、北米各地の様々なお客様に現場で試乗頂き、ICTブルドーザーの性能を実感頂きました。2012年の最終テストを例に挙げると、情報化施工に詳しい3分野のお客様(宅地造成、大規模道路工事、埋立型ゴミ処理場造成)で2週間ずつ、6人のオペレーターの方々に合計約200時間にわたる現場作業を行って頂きました。

テストは情報化施工経験の豊富さや、使用条件の過酷さも考慮した上で、積極的に参加いただけるお客様にお願いしました。また従来の情報化施工建機と異なり、粗掘削から仕上げ整地まで全ての作業を全自動で行い、新しい全自動制御機能をフル活用して頂くこととしました。

環境に配慮した埋立型ゴミ処理場で稼働するユーザーテスト車

環境に配慮した埋立型ゴミ処理場で稼働するユーザーテスト車(2012年8月)。
この現場では法面(斜面)における高精度制御の重要性が確認されました。

お客様からのフィードバックで性能を改善

私も、機械工学分野における10年間の経験を活かし、ユーザーテストに取り組みました。

お客様とコマツのパートナーシップは、ユーザーテストにおいてもWin-Winの効果をもたらしました。お客様は、自らテストし、不満をコマツに伝えることで、より満足度の高い機械を購入することができます。一方コマツは、実際の現場で機械の能力を試し、改善することができます。

ユーザーテストにおける最大の成果の一つとして、法面*作業における全自動制御が挙げられます。コマツのスタッフも、日本では事例の少ないブルドーザーによる法面作業の現場を目の当たりにし、お客様の期待に応えるべく、傾斜の強い法面作業のための試験場を新たに設置し、整形精度の大幅な改善に貢献してくれました。

オールコマツのチームメンバーとしてユーザーテストに参加して、お客様の現場でチームの眼となり耳となって活動し、大きな成果を挙げたことに、私は大変満足しています。この活動を通じ、お客様の機械の使われ方に精通し、全てのお客様の現場において、コマツの機械をなくてはならないものにすることの重要性を、身をもって実践することができました。

* 法面[のりめん]:土を整形した斜面。路肩や土手などでよく見られます。
ユーザーテストに協力いただいたシュナイダー・エクスカベーティング社の宅地造成現場で稼働する量産先行車

ユーザーテストにご協力いただいたシュナイダー・エクスカベーティング社の宅地造成現場で稼働するD61EXi/PXi量産先行車(ウイスコンシン州ミルウォーキー市)。
実際に操作を行った代表取締役のスティーブ・リストウ氏からは「気に入りました。期待どおりです。スラントノーズ設計で、ブレード上にGPSアンテナがない。おかげで視界も抜群です」との評価を頂きました。

グローバル・チームワークで開発のスピードアップ

この新しい車両制御技術を開発するため、我々は、日本、米国、オーストラリア、ロシア等、世界から技術担当者の力を結集しました。このチームワークがあってこそ、最終段階で残された指摘事項もクリアできたのです。また実際に工事現場でテスト頂いている以上、問題があれば迅速に対策を打たなくてはなりません。そこで、フィードバックはグローバルな開発チームが分担し、お客様からソフトウエアの問題点が指摘された場合、ほとんどは1〜2日以内に再評価して頂けるようにしました。北米で日が落ちるころが、海外の仲間が働く時間だったことも助かりました。

成功に向けて基礎を固める

ユーザーテストも大詰めを迎えた2012年秋、KACの施設にお客様をお招きし、性能評価会を開催しました。お客様は全員情報化施工の経験が豊富な方々ばかりです。半数はユーザーテストの参加者、残り半分は今回初めてD61EXi/PXiに乗る方々とし、客観的に性能を評価して頂けるようにしました。テストの結果、D61EXi/PXiはユーザーテストで抽出された改善項目を全てクリアし、どこも修正せず市場導入できるとの評価を受けることができました。

D61EX/PXiが非常に魅力的な機械に仕上がったことは、北米における販売第1号機が簡単な性能デモだけで納車されたことにも現れています。ブレード全自動制御機能を搭載したD61EXi/PXiは、他にはない多彩な特長、優位性を備えた素晴らしい商品に仕上がりました。きっとお客様の購入意欲をかきたてることと思います。コマツの車両制御技術の開発にKACとそのお客様が重要な役割を果たしたことに、私はこの上ない誇りを感じます。今後ますます拡大していくコマツICT建機の未来は、感動に満ちたものになることでしょう。

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