
東日本大震災にてお亡くなりになられた方々のご冥福をお祈り申しあげますとともに、被災された皆さま、そのご家族の皆さまに対しまして、心よりお見舞い申しあげます。一日も早い復旧・復興をお祈り申しあげます。
本年3月11日に発生しました東日本大震災は、東北および北関東地方を中心に甚大な被害をもたらしました。この未曾有の大災害の発生直後から、コマツグループにおいては、グループ社員および家族の安否確認ならびに安全の確保を進めるとともに、被災した関係者への救援物資の送付、被災した工場や協力企業等の復旧に全社を挙げて取り組んでまいりました。
生産部門では、東北および北関東に所在する工場で建屋や設備の損壊があったものの早期に設備補修等の対策を打ち、また、被災された協力企業に対しては、生産・調達部門の社員が支援に出向き、協力企業の社員の方々とともに設備の復旧を進めてまいりました。これらの結果、建設機械に搭載する電子部品等の調達および電力需給等が不安定な状況にありますが、各工場ともに3月中に生産を再開し、現在は各工場とも順調に稼働しています。
販売・サービス部門においては、津波により東北地方太平洋沿岸部の拠点で建屋や設備、建設機械等が流失するなど、大きな被害を受けました。これら拠点の全面的な復旧には時間を要する見通しですが、震災直後より近隣の拠点を活用しながら被災地の復旧・復興に資する建設機械の保守・サービスを再開しました。また、被災地で必要とされる機材・物資を最大限に提供することとし、保有する建設機械、フォークリフト、仮設ハウス、発電機等の無償貸与を中心とした総額8億円相当の支援を決定し、自治体からの要請に応じて対応を進めています。
今回の震災の復興作業は長期にわたると予想されております。コマツグループにおいては、復旧・復興に不可欠な建設機械を製造し、迅速に被災地へ届け、これらの機械が現場で稼働し続けられるよう保守・サービスを継続的に実施していくことが重要と認識しており、今後も事業活動を通じ、被災地の復旧・復興を全面的に支援してまいります。
2011年3月期(2010年4月1日から2011年3月31日)における建設・鉱山機械の需要は、戦略市場*1の中でも特に中国、アジア、中南米において高い水準で推移し、伝統市場*1である日本、北米、欧州でも回復し、各地域で前期を上回りました。また産業機械の需要も、戦略市場における自動車生産台数の増加と、中国、アジア地域での太陽電池産業の成長に伴い、回復に向かいました。
当期の業績は、各市場における需要の伸びをとらえ、大幅な増収増益となりました。特に為替が米ドル、ユーロおよび人民元等に対し前期に比べ大幅な円高となり、また東日本大震災の被害による損失が発生したにもかかわらず、売上高営業利益率は、前期を7.4ポイント上回る12.1%と大きく改善しました。これは、売上げ数量が増加したことに加え、構造改革に引き続き取り組み、販売価格および製造原価の改善等に継続的に注力した結果と考えております。
*1コマツグループにおける「市場」の位置付け
伝統市場: 日本、北米、欧州
戦略市場: 中国、中南米、アジア、オセアニア、アフリカ、中近東、CIS*2
*2 CIS(Commonwealth of Independent States, 独立国家共同体):1991年、バルト諸国を除く旧ソビエト連邦諸国により設立された国家共同体。
コマツグループの生産および部品調達は、電力供給、サプライヤーの復旧状況、余震の有無、福島県の原子力発電所の問題等によって、今後も影響を受ける可能性があります。状況をきめ細かく注視し、生産・調達の安定化に向けて引き続き全社的に取り組みます。
東日本大震災の被災地の復興に関しましては、支援を迅速かつ継続的に実施していくため、本年4月、宮城県仙台市に「東北オペレーション室」を新設しました。被災地において機敏に判断できる体制を整え、建設機械、フォークリフト、仮設ハウス、および補給部品等の現場への円滑な搬入、サービス体制の強化を図ります。
一方、コマツグループを取り巻く事業環境をグローバルに見ますと、建設機械・車両部門では、戦略市場が順調に拡大しており、今後もこれらの国々の成長が牽引役となって需要が増加していくことが見込まれます。また、産業機械他部門においても、戦略市場を中心に自動車生産規模の拡大が続いており、今後も需要の増加が見込まれます。
コマツグループでは、ICT*3、主要コンポーネントの開発・生産技術力、グローバルな販売・サービス網、フレキシブルな調達・生産体制等を強みとしています。2013年3月期をゴールとする中期経営計画「Global Teamwork for Tomorrow」では以下の重点活動に取り組むことでこれらの強みを今後も進化させ、着実に成果を上げていきます。
*3 ICT: Information & Communication Technology(情報通信技術)
【重点活動項目】
- 製品・部品のICT化の推進
- 環境・安全性能の更なる進化
- 戦略市場における販売・サービス体制の拡充
- 現場力の強化による継続的な改善の推進
また、引き続き全世界の社員が業務の改善活動を通じて「コマツウェイ」の定着・深化を図ります。加えて、お客さまとの関係性を一層高め、コマツとお客さまがともに発展するための活動「ブランドマネジメント」に注力し、これらをグローバルな事業拡大に必要な人材の育成に結びつけていきます。
コマツグループは「企業価値とは、社会とすべてのステークホルダーからの信頼度の総和である」との考えにより、コーポレート・ガバナンスを更に強化し、健全で透明性の高い経営に努めるとともに、経営効率の向上を目指しています。また、コンプライアンスを徹底するとともに、コマツグループの全社員が「コマツウェイ」を共有し、業績の向上に加え、企業体質の更なる改善および社会的使命の達成をバランスよく実現させていきます。
最後になりましたが、コマツの経営陣を代表して、全世界の株主の皆さま、お客さまならびにビジネスパートナーの皆さまからのご支援に心からお礼申しあげます。
2011年7月



